岩村竜太によるトイミュージック/実験音楽のシリーズ作品、「Symphony」という名の全16曲。
ギリシア語で「共に」(syn)「鳴る音」(phōnē)が語源のこの言葉は、交響曲という意味だけでなく、色彩や音響の調和といったニュアンスでも使われます。
世界のさまざまな要素が影響を及ぼし合い、調和し、豊かな効果を生み出しているさま。それがこの作品で言うところの”Symphony”です。
ピアノの音をベースに彼が試みるSymphony。
そこに交わるのはトイピアノやピアニカ、グロッケン、ウクレレなどの楽音だけではありません。
鳥の囀り、カメラのシャッター音、タンブラードールのチャイムの音、砂時計の音。
さらには、窓を開ける、海辺を歩く、紙を裂く、電話をかける、時報を聞く、その行為そのものが音楽の中に溶け合い、そこに紛れもない”Symphony”が生まれています。
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